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コラム(2) ”貼るもまた 楽し”

by 田口 博通 Hiromichi Taguchi
2015.07.11 up
               
1/72 Bf-109E (ハセガワ 別売りデカールを貼り 完成)           
 
                            

 幼少から プラモ作りを始めて ウン十年経つ方も たくさんおられよう。プラモ作りを長く続けていると、見果てぬ夢か、実現できそうな夢か とにかく願望を持つようになるものだ。
 
 私の場合、その一つが 塗装バリエーションを ずらっと並べてみたいという夢である。 Bf-109をスペインからブリテンまで並べるとか、A7コルセア全VA揃いぶみとか、ファントム全VFとか、見果てぬ夢はつきない。
 趣味が高じて 別売りデカールをたんと買い込み、時々そのデカールを虫干しを兼ねて出してきて、日なたで眺めてほくそえむ。ずらっと並んだ姿を妄想する、ああ至福の時である。
 皆様の中には、デカールは嫌い、手書きでないとだめという方もおられようが、私は「デカールが大好き」である。妄想に終わるかに見える夢の続きを助けてくれる、
 たとえへたでも 手を止めないで動かし続けてさえいれば、到底 自分の力では無理だと思うことを えらく簡単に実現させてくれる救世主なのだ。 
 私の場合、そもそもキットにデカールが入っていなければ、1機たりとも完成できない。だから その破壊的な威力は大きい。最初から マーキングまで手書きができる子供なんて どこにもいなかった。
 考えてみると 私がプラモ趣味を続けていられるのも デカールのおかげである。ああ デカール様様である。


 塗装バリエーションを揃えたいという願望が始まった原因は そもそもキットに2,3種類のマーキングが入っていたところからである。
 箱絵も素晴らしく、更に どれも魅力的なマーキングのGOODなデカールが入っているとなれば、まずは箱絵の塗装バージョンを作り、残りのデカールも貼りたい!という欲求が起きるのも当然ではないか。
 うまくメーカーさんの術中にはまったものだ。
しかし、術中に はまったことを承知の上で 揃えてゆくのも また楽し! である。

 そのデカール様を貼りたい一心で 作り続けているのが 72のP-51D ムスタングの塗装バリエーションである。 写真のWZ-I Big Beautiful Dall は タミヤの72キットに入っているカルトグラフデカールをそのまま貼ったもの。さすが イタリア製、印刷も素晴らしいが、なによりも 機首のチャッカーが 魔法のように貼れてしまったのだ。そうなると 麻薬のようなもの。それゆえ自分的には オカルトデカールと呼んでいる。
 このBig Beautiful Dallは 折込カラー図でよく見る有名機で、ロンドンの戦争博物館で 天井からぶら下がっている実機を見たこともあって、憧れの的だった。
 しかし、いかんせん 機首のチェッカーがあるので、自分には到底 作るのは無理とあきらめていた。それが、カルトデカール様のおかげで いとも簡単に 実現してしまったのだ。 これほど 楽しいことはない。

 そうなると、タミヤのキットに入っている残りのB6-Yと OLD CROWのマーキングも貼って揃えてみたいという 願望が沸き起こるのも当然である。ここで またタミヤのキットを買い増せば、メーカーさんは万々歳だが、こちとらの懐具合を考えるとそうもいかない。という事情もあり、手持ちのハセガワ1/72旧版キットを 押入れから2つ引っ張りだし、デカールを貼りたい一心で 完成させてしまった。         
Big Beautiful Doll   (1/72タミヤ)


GLAMOUROUS GLEN Ⅲ (1/72 ハセガワ旧版)


OLD CROW  (1/72 ハセガワ旧版)


 
     キット付属のデカールを貼った ハルトマン乗機 Bf109-G6 (1/32 ハセガワ)



 上の ハセガワ 1/32 Bf-109G6は 静岡合同作品展のために、1機作ったら、メーカーの宣伝文句どおり、確かに 1/72を作る感覚で1/32ができてしまった。
 これは楽で良いわ と、いつもの虫が騒ぎ出し、同会場のツインメッセ2階の物販ブースで物色していたら、イーグルカルデカールを売っていたので、ついつい 2シート買ってしまった。 
 その中から夏休みに2機作り、フーと大満足した。のもつかのま、更に当時 横浜にあったラッキー模型店で4シートGET、結局 20機分のデカール在庫を持つに至った。
 
 そうなると やはり嵩張るがキットを買わねばならぬ。完成品1機をヤフオクで処分して、それを元手に更に6機分のKITを買ってしまった。1→2→6 と増殖につぐ増殖である。今度はメーカーさんも万々歳であろう。

G-6 RED13 (1/32 ハセガワ)
G-14 W5 (1/32 ハセガワ)


1/32 Bf109G-6,G-14イーグルカル、イーグルデカール 
 新しくGETした6機分のキット、
(ちなみに 主翼のテープに書いてあるのは選んだマーキングのデカール番号、気が変わらないようにとメモを入れてある。)

1/72 Bf-109E (ハセガワ、タミヤ、エレール)


上は1/72 Bf-109E 6機
ドイツ空軍よろしく2機一単位のロッテで作っている。さて あと6機完成して 12機そろうるか?見果てぬ夢に終わるのか?  
 とにかく、塗装まで終わって、デカールを貼る時、それまでの遅遅とした歩みと対照的に、急激に完成に近づくので、ワクワクするのだ。このワクワク感がなんとも楽しい。
  デカールを使うと 誰でも 派手なマーキングの機体が作れる、それって当たり前のように思えるが 実は凄いこと。
 プラモ作りって 楽しい と思いませんか?



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