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A-6Aイントルーダー フジミ72          

フラップダウンの改造を中心に紹介しています。(M.A 1997年/8月から)


 



キットについて

 88年発売フジミの72イントルーダーは上品な凹彫りでパネルラインが表現され、アウトラインも的確に捕えられています。72では今でも決定版といえると思います。個人的にもイントルーダーはNAVYフリークとして大好きな機体です。特に特徴ある機首がなんともいえません。厚木に着陸するイントルーダーを相模川沿いの職場のビルの窓からよく見かけたものです。今年退役したのが、淋しい限りですが、まだEA-6Bには会えますよね。フジミのキットはA型の他、KA-6D,E型、EA-6Aとシリーズ化されているため、その気になれば、全シリーズを揃えることもできます。

 エアダクト、排気ダクトなど、胴体左右接着前にセットする部品点数が多く、又、胴体下面部品が別パーツになっているなど、少し手間がかかりますが、非常にパーツ間の合いが良いので、落ち着いて組んでいけば、以外と簡単に完成までたどりつけるでしょう。具体的な組み立ての注意点については他でもふれられると思うので、今回は簡単なディテールアップとしてフラップダウンをご紹介します。


フラップダウン講座

 フジミのイントルーダーは、サービスとして主翼前縁スラットがダウン状態にできるようになっています。しかし、実機では前縁スラットは後縁フラップと連動となっており、フラップもダウン位置とする必要があるのです。
 というわけで今回は「今月のヒント」の拡大版として、このイントルーダーのフラップ(隙間ファウラー式です)を作動状態にしてみましょう。難しい工作ではなく、工作用カッターナイフとプラ板さえあれば可能です。順を追ってご紹介しますので、使える所があれば、参考にしてみて下さい。
資料としては、D&S No.24,AEROGIDE No.15が細部写真が豊富でおおいに約に立ちました。


1フラップ切り離し

 まず、何はともあれ、主翼からフラップ部分を切り離す必要があります。カッターナイフでフラップの筋彫りに従い、(写真1)のように切り取ります。この際、表側からナイフを入れる際には、力を入れすぎないようにして、回数で稼ぎます。短気を起こさず10回ぐらい数えて下さい。ナイフの刃先は切れ味が落ちればすぐ、折って取り替えて下さい。
 さて、8分目ほどの深さに表から切り込み、こんどはパーツ裏側からプラスチックを折り返すように力を加えると、(写真2)のように、白いスジができるはずです。パーツ裏側のこの白いスジの上にカッターナイフを入れるときれいに切り離すことができます。
 主翼下面部品の切り離しはガイドレールの部分があるので、少し面倒ですが、同様のテクニックで、気長に切り離して下さい。失敗してもプラ板でその部分を作り直せばいいことですから、気楽にやりましょう。後は断面をやすり等を利用して奇麗に仕上げておきます。
作例では ついでに翼端ブレーキ部も同様に切り離し、着陸姿勢も楽しめるようにしています。
又、着陸姿勢にする場合は、主翼上面のスポイラー(エルロンの替わりに横方向の操縦に利用する。)も切り離して作動状態にしても面白いでしょう。


2 主翼部品加工

 主翼上面部品はスラットの部分に段差がついているので、プラ板で埋め、なだらかになるよう整形します。(写真3)
 又、実機のスポイラーはペラペラの板ですので、パーツ裏側から、スポイラーにあたる部分の肉を削り、断面が薄くみえるように薄々攻撃をかけておきましょう(写真4)。
 上下部品間にできるすき間は下面部品の裏側に短冊に切った1.2tプラ板で埋めておきますと、これが補強の役目も果たします。(写真5)
 上下部品を接着するととりあえず(写真6)のように主翼は完成です。

ここでフラップのダウン状態に合わせて、主翼側ガイドレールの角を45度ほどやすりで落としておきます。
 又、フラップと翼端ブレーキの間に燃料ベントがありますので、しんちゅうパイプをつぶしてやすりで長方形にして、追加しておくと、あなたも超マニアの仲間入です。
 又、スラットレールの内側から2本目、5本目、7本目は本来はレールでなく、作動ロッドですので、一度切り取り、0.5径の洋白線で置き換えましょう。


3 フラップ部加工

 切り離したフラップ部分ですが、(写真7)のように上面部品の後縁を一度切り離し、0.5tプラ板を大きめに接着した後、整形します。燃料タンクの半円状切り欠きは丸やすりで慎重に。
 ガイドレール部分は薄いプラ版等で少し盛り上がるように追加すると実感が増します。このような部分にスコッチのプラテープを使うと接着剤のはみ出しもなく、奇麗に仕上がります。


4 細部塗装について

 加工した部分は傷消しも兼ねてサフェーサーで下塗すると、仕上がりも違ってきます。
 スラットはレールが艶あり白、スラット裏面も同じく白です。A型では表面はもちろんガルグレーで、前縁はグレーシルバーの場合が多いようです。
 フラップですが、まず、ガイドレールおよびスポイラー裏面は艶あり白。フラップは作動して現われる部分が艶ありレッドです。塗分けは実機写真や作例を参考にして下さい。断面はフラップ、機体側ともレッドでなく、白のようです。


5 組み立て

 機体全面塗装完了後、主翼ガイドレール角にフラップを接着しますが、この際、スポイラー部分との間に少し隙間をあけるようにします。最大作動角は51度となっていますので、御参考まで。下げすぎて燃料タンクにぶつからないよう注意!
 最終段階で幅1mm長さ4mm程度の短冊を0.3tプラ板で8個作り、軽く「くの字」に曲げて、作動リンクに見立て主翼下面のガイド部にそれぞれピンセットで慎重に接着します。

 作例はキットデカールを使用し、VA-65としています。
 翼端ブレーキの開閉2種を2機の部品を利用して作り、洋白線で差し込みロッドを作り、差し替えられるようにして遊んでみました。通常、地上駐機状態、発艦姿勢では翼端ブレーキは閉、着陸直前は開状態です。ちなみにブレーキ内部はレッドです。
 もちろんパイロットは搭乗させておきましょう。それもヘルメットをカラフルに気合いを入れて塗装して。
機体を手に持って、機首を少し上げ、ブーンと口ずさみながら飛ばせると、そこには、轟音と共に着艦するイントルーダーの世界が目の前に広がります。



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