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零式3座水上偵察機
11型乙

零式3座水上偵察機11乙 型(E13A1b) ニチモ 48 

(MA.1994年7月号)



キットについて

ニチモの1/48愛知零式三座水偵は、旧マルサン1/50初期の名作といわれたものです。オール可動にかかわらず、基本デッサンはしっかりしているので、少し手を入れるだけで現代風の素晴らしい作品になります。

是非手を入れたいところは、主翼平面形の修整、上げ底さらし首状態になっているコクピットの自作、エンジン、アンテナの自作の4点です。   上げ底のコクピット

フラッブ等可動翼は現代の技術レベルで可動にすると、最近のキットにない感動を味わうことができます。主翼折り畳み部は、上半角が決まりにくいので固定にして、平面形だけ修整します。エンジンは同じ金星43型を使っている48フジミ九九艦爆から流用すると簡単です。


コクピツト

コクビットは完全自作となるので、少し具体的に工作方法を書いておきます。床と、内部側面はブラ板で現物合わせで作ります。床は操縦席の後ろで段があるので、ブラ棒等を重ねて2mm程段差をつけておきます。内部の横骨は、釣り用の板鉛を細切りにして、等間隔に貼りました。板鉛は柔らかく、曲面に簡単に貼れますので、ぜびお試しを。

スロットルはプラ板の組み合せ。各種把手は0.5mm洋白線の頭に5分間エポキシ接着剤を少量盛ります。計器板は2枚のブラ板の間に透明プラ板をサンドイッチします。色はつや消黒。操縦桿とフットバーは洋白線とプラ棒で自作し、偵察席横の3連酸素ポンベはフジミ九九艦爆から流用。クルシーループアンテナは洋白線を丸め細いパイプを継ぎ目に被せ瞬接します。

内部塗装色は、ミディアムグリーンらしいので、グンゼ産業特色303をつや消しを強くして使いました。シャドーにはパステルを使ってみました。バーントジェンナーとローアンバーのパステルを紙の上で混ぜ、筆で少しすりこみ、ふっと息で吹き飛ばすとまるでバーリンデンの世界です。NOUVELパステル〈1本150円程)がお勧めで、画材店で入手できます。その後ハイライトをつけるために、特色303に白をかなり加えてドライブラシします。小面積程、意識して明るめにコントラストを付けておくと黒潰れせず、風防を閉めた後でもよく見えます。

操縦席シートは九九艦爆より流用し、左横に昇降調節棒を細いランナーで追加しておきます。偵察席と電信席のバケットシート部分は0.2mmの洋白板を切り抜きハンダ付け、やすり掛けで自作しました。座る部分に充分にハンダを盛り、表面張力を利用して丸くへこみの形を作るのがこつです。背も垂れは、真鍮線で枠を作り細ランナーでネット部を貼りました。これも意外に簡単にできるのでぜひトライしてみて下さい。シートベルトは板鉛の細切りです。シートの塗装は303、ベルトはしっかり艶を消した明るめのカーキで塗っておきます。


エンジン

  

エンジンはフジミ九九艦爆より流用し、プッシュロッドを0.3mm洋白線で迫加します。ドリルで本体に穴をあけ、ほんの少し長めの洋白線を埋め込んで、シリンダーカムヘッドに瞬間接着剤で接着後、余り部分をニッパーで切り飛ばしてしまいます。

クランクケースはシルバーグレイ。

エンジン本体とプッシュロッドは艶あり黒。仕上げにシリンダーを少し黒の入った銀で軽くドライブラシします。カウリングは前部を九九艦爆から流用。後部カウリングはキットのものを加工して使いますが、少し径が細いので、1.2mmのブラ板を挟んで接着します。上部気化器取り入れ口はキットでは誤って2個に別れていますが、1個が正しいので、各々削って輻が計5.5mmになるように接着します。 

  プロペラもキットのは形が根本的に違います。径がほぽ同じ九九艦爆から流用しブレードを薄く細めに削りました。


胴体

風防右側下に空調用エアスクープが3個あるのでブラ棒を加工して追加します。尾翼は木製なので、リベットは消しておきましょう。下面に爆撃照準器用の窓が2個ありますが、これは大きめな穴を1個開けておき、それを0.2mm厚の透明プラ板でカバーし、塗装時に窓枠を表現します。爆弾倉の扉はプラペーパーを貼り、爆弾に当たる部分がふくらんでいますので、厚目のプラ板を涙滴型に整形して貼り付けておきます。60kg外部爆弾架はプラ板と真鍮線で作ります。

 

風防はぼってりしていますが、透明度がいいので我慢してそのまま使用。隙間は一度内部色で軽く埋めてからタミヤパテで本格的に修整すると、灰色のパテが胴体内に目立ってしまうことを防げます。外側にレール覆いがありますので、透明ブラ板を切って貼っておきました。


翼の修整

主翼は上半角に注意して外翼を固定し、テーパーが不足している外翼の平面形をもっと先細になるよう後縁をかなり削ります。

涙滴型ふくらみは外翼折り畳み可動部の覆いですが、実機では第l5-l6番小骨の間隔間にありますので、内外翼の境界に位置を移動します。フラップ部の長さを58mmに短くし、フィレット部はプラ板で修整しておきます。可動翼は0.5mm径の洋白線を埋め込んで主翼側に孔を穿けて差し込み可動にしました。水平尾翼は、前縁がもっと後ろにカーブしています。


アンテナ

3ケ所の電探アンテナはシャープに作るとバッチリ注目を集めます。0.3mm径洋白線と真鍮パイブを組み合せ自作しました。胴体アンテナの取り付け位置は4mm程上にずらします。

 

フロート

形状は実機の特徴をよく表現しています。水中舵取り付け部を修整し、前支柱にあるステップを真鍮線を削って作ります。X型の張線は0.3mm径の洋白線で張りました。


全体塗装

Mr.サーフェイサーl000で下塗りをし、細部のキズ、リベット等を修整しておきます。下塗りを行なうと、プラスチック特有の透明感が消えますので、是非行なうことをお勧めします。

上塗りはラッカー系のほうが乾きが早いことから、Mr.カラーを愛用しています。上面は海軍機色16に下面色53を少し混合し明るめにしました。下面は下面色53のストレート。いずれもつや消しを強めにして吹き付けました。フロート支柱などの吹き付けが回りにくい部分はあらかじめ筆で同色で塗っておきます。上面と下面色の境は実機はほんの少しぼけているようなので、2色を少し薄めに混合して細筆で境界をできるだけ細く塗って表現します。日の丸、翼識別イエロー、フロートの注意帯は手書き。尾翼のマークはキットのデカールで北千島で活躍した452空機にしました。デカールはそのままでは光りますので1日おいて落ちついた頃、つや消しクリアー(クリアー46に30つや消し剤を混合したもの)を吹き付けますと、てかりが消え、まるで手書きのようにみせることができます。これも是非試してみて下さい。仕上げに、油絵の具のバーントジェンナーをハンブロールのシンナーで薄く溶いたもので軽くウォッシングしておきます。最後にアンテナ等を取り付け細部を細筆で追加塗装して完成です。



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