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 MATCHBOXのTEMPESTMk.6は1974年に初版が出た極初期の物です。
 MATCHBOXも英国のLesney Productsから,今はREVELLの傘下になってドイツで作られているんですね。M&Aを繰り返す海外の模型業界地図、これから先どうなっちゃうんでしょうかね。
 
 さてキットはおなじみ2色成形のパンダさんで、運河彫りと称された強烈なスジ彫りが全面に施されています。
初めての方は驚かないで下さい。
 編集部からはMATCHBOXらしさを残すように!との希望だったので、一瞬絶句。で今回の作例は、読者の参考になろうという使命感?に燃え、形状はそのままストレートとし、スジ彫りだけ、現代風リメイクしてみました。
精密さを追い求めるだけでなく、多様性を楽しめる豊かな時代です。押入からMATCHBOXを取り出して、一緒にを堪能してみましょう。

     胴体

 コクピットは座席にパイロットのみのシンプルなもので、計器板もありませんが、狭いコクピットのため、それで充分なようです。たまにはパイロットを乗せて上げ気分転換しましょう。
カウリングは、Mk.6とMk.2を選択でき、オイルクーラーも良く合います。機首上面カーブはなかなかいいので、接着時に削りすぎて角ばらないように注意が必要です。


     主翼

 TEMPESTの主翼型はハリケーンから改善された薄翼になっています。
 キットはこの薄翼の雰囲気がよく出ていて、平面形もいいようです。
ただ、翼後縁が厚いので薄く削ります。240、400番のペーパーをかまぼこ板に貼ったものを用意すると、こういった修正には極めて重宝します。
 胴体との合いは良好ですが、後部フィレット部はうまくつながるように、パテで成形が必要となります。
 こんな時、少量のタミヤパテに瞬間接着剤を数滴加え、ネチョネチョと練り、手早く盛って使っています。強度が出るので、後でポロっと落ちる事が無く、ポリパテよりは格段に使いやすいようです。試してみて下さい。
 両翼の小取り入れ口はキャリブレーターエアインテークですが、開口していません。1mmドリルで開口した後、角ヤスリで角孔に成形しましょう。
また、両翼インテークを全て削り取ると大戦中に活躍したMk.5に簡単に改造できます。



 お約束1 運河彫りの修正

 MATCHBOXのキットを作るにはこれを避けて通れないというお約束の、運河彫りの修正です。
 幾つかの方法を過去に試しました。
タミヤパテ、グンゼサフェーサー500では肉やせし埋め切れず、瞬間接着剤は固くてペーパーがけが大変です。
 結局、ポリパテで埋めペーパーがけするのが手早くていいという結論に落ち着きました。ただし、ポリパテはプラへの食いつきが今一つで、筋彫りするとポロッと落ちる事が多いのが欠点です。写真の黄色の部分がポリパテで、同時にヒケの部分も埋めました。仕上げにグンゼサフェーサー500を塗り、平滑にペーパーすると完璧です。



 お約束2 パンダの下塗り

 胴体グリーン、主翼グレーの2色成形でそのままで上塗りすると下地の影響が出るので、下塗りがどうしても必要です。グンゼサフェーサー1000を愛用しています。これもMATCHBOX必須のお約束です。 
 乾燥後、デザインナイフで細くスジ彫りをし直し、リベットは目打ちで機首のビス部のみ施しました。リベット打ちはプラ表面に直接行なうよりも、サフェーサーの下塗り後、行なう方がやさしいようです。



      塗装

 編集部より、グンゼの迷彩新色セットが送られてきたので、これをありがたく使用しました。下面はNo.363ミディアムグレー、上面はNo.362オーシャングレーとNo.361ダークグリーンの迷彩です。落ち着いた色合いで気に入っています。この新色SET買いですよ!
 ダークグリーンのぼかしは、実機の塗り分けがはっきりとしているので、ピースコンの吹きっぱなしではなかなか実感が出しにくい所です。今回は、テープでマスキングしてきっちり塗り分けた後、グリーン、グレー2色を混合した色を細筆で境界に細く塗る事でボカシの表現をしました。遠目にはいいと思いますが、いかがでしょうか?
 胴体帯は、No26ダックエッググリーンで、また主翼前縁イエローはタミヤカラーXF3の筆塗りです。マスキングゾル(2度塗りがお約束です)を使い、きっちりとカミソリで直線にカットさえすれば、筆塗りで充分です。
 胴体内部はやはりグンゼのコクピット新色セットのNo.364 エアクラフト グレイグリーンを使いました。いい色ですが、もう少し艶が消えた方が好みなので、タバコライオン粉を加え完全つや消しにしています。
 筋彫りへの墨入れは全体をよく乾燥させた後、油絵の具のローアンバーをハンブロールシンナーで薄めて使っています。これでMATCHBOXといえども、見違えるようになりました。
  デカールはつや消しが強く固めですが印刷は良質です。箱絵のJV-Kは IN ACTION No.102、43pに横からのずばりの写真が掲載されています。
デカールは余白部分が白く目立つので、貼った後、カミソリで余白をカットしておきましょう。MA98/9月号42pのJu87の記事に詳しく書いてありますので、是非トライしてみて下さい。
 デカール保護と迷彩の艶を揃えるために、フラットクリアを全体に軽く吹いておきます。このフラットクリアはグンゼの46クリアに30フラットベースを混ぜると簡単にできます。こうすると、誰にでもしっとりとした塗装がGETできます。
 プロペラの回転機構は面白いアイデアです。脚部品の角度には注意が必要なので、写真をよく見て下さい。主翼下面のライトはドリルで掘り、銀を塗った後、コニシのボンド透明エポキシでレンズ部を盛っています。ピトー管、ホイップアンテナは0.3径洋白線で強度を持たせるといいですね。キャノピーは厚めですが、作例はMATCHBOXさを残しそのまま使っています。最後に排気跡をパステルで書き込むとやっと完成です。


 まとめ

 MATCHBOXは機種選定がよく、形はそれなりにしっかりしているので、運河彫りさえ埋めれば、魅力的な機体も多いようです。押入のお宝に日の目をみせて上げましょう!



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田口 博通 

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