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P-38Hライトニング

エアフィックス72 (モデルアート1995.4号) 


 

さてH型といえば、P‐38の中では最初にアメリカからアイルランド経由でイギリスに渡り、B‐17を護衛して長躯、大陸侵攻を行なった機体として有名。今回はジェンキンス中佐のテキサスレインジャー(J‐CG)に率いられた8AF/55FG/38FSの上面オリーブドラブ、下面ニュートラルグレイの機体(A‐CG)にしてみました。


キツトについて

 エアフィックスのP‐38Hは同社の1/72キットとしては2代目であり、現在の設定はH型となっています。翼前縁の前照灯や主翼下面のダイブブレーキのスジ彫り等にL型との混同が一部見られるものの、簡単に修整可能。後部ラジエター形状は正しきF、H型になっています。エアフィックスの特徴として全体のデッサンは破綻なくしっかりしており、各部の合いはそこそこ。ただし、エアフィックスのいつものお約束で、翼後縁が厚く、シャープさが足りない。全面がかなりハードなリベットと浮き出しパネルラインとなっています。

製作にあたって

 まず、最初に究極の選択をしなければなりません。つまり、キットの持ち味を活かし(なんと美しい言葉だろう)、ブラモ博物館に飾るつもりでストレートに作るか、もしくは、キットを素材と考えて徹底的に手を入れて、ギンギンの仕上がりを目指すかである。私は個人的にはストレートフロムボックスが大好きなのだが、ここはほれ、作例ということなので、いくつかのボイントを押さえながら「完成」の2文字を目指すという方法でチャレンジしてみました。今回のお題は名づけて「工アフィックス攻賂法」

製作

 コクピットはバスタブ床板、座席、防弾板、計器板の4点で構成されています。P‐38のコクピットで完成後、外から一番目立つ部分は座席後部無線機の配線。そこで無線機のブラグにあたる所に0.5mmのドリルで穴を開け、細い銅線を接着しておきました。

座席には、おなじみ釣り用板鉛でシートベルトを追加。シートベルトには色々な工作方法があるが、この釣り用板鉛は150円で一生使えるほどあるし、やわらかいためカッターで簡単に細切りにでき、ベルトのねじれた形も自由に表現できる等、小スケールには決定的な方法と思えるのでお勧めです。

へッドレストの頭当ては四角でなく丸形にし、操縦桿はハンドル形式の物を真針線を曲げて作りました。コクピットのインテリアグリ一ンは、Mr.カラーの特色303に白を混ぜてよく艶を消したものを塗った後、各部のエッジを軽くドライブラシしておけば完壁。

キャノピーは厚めなので、内側を#1200以上の耐水ペーパーで削りますが、どうしても細かいキズのため少し白っぽくなります。そこで内面に薄くMr.カラーのクリアーを塗ると、キズが埋められて透明度が回復します。

さて主翼ですが、平面形はいいようです。前述の翼前縁の前照灯切り欠きをプラ棒を切ったもので埋め、翼下面に新たに透明ランナーで丸型のものに修整。下面4箇所の小さいふくらみはダイブブレーキのスジ彫りと共に削ります。

薄薄攻撃だ

 エアフィックス攻略法のハイライト!主翼後縁が厚いので上下表面からガンガン削り薄くシャープにします。

その際、削ったところが角張らないようにスムーズな翼形状になるように気をつけると後で「NASA012だぜ」と白慢できるかも(なんせ小スケールだから碓にもわからん)。

また、P一38の特徴である翼端の下面反り上がりを削り込んで表現しておきます。この2つさえやっておけば勝ったも同然です。

水平尾翼も後縁を薄くしますが、同時に双胴とのフィレット部が大きすぎるので修整します。また、なんとマスバランスが翼側に付いているので、取り付け穴を埋め仕上げの際にエレベーター前縁に取り付けます。

ウエイト

 胴体形状は特に問題ありませんが、ラジエター後部排気口が塞がっているので開口しておきましょう。また、ブラ棒を短く切ってラジエターにして中が素通しにならないようにします。

毎回のことですが、充分おもりを入れておかないとしりもちをつくはめになりますので要注意。実は私もやってしまい、完成後、ブロペラの孔から糸ハンダを切ったものを押し込んでやっとセーフになりました。

脚はとにかく細く支えきれないので、主脚の補助支柱を真鍮線でおきかえるなどの工夫も必要です。なおこの足まわりではタイヤをハセガワから流用しました。またスピナーがやせすぎているので、ハセガワのスピナーを削り、尖らせて使用しました。

スジ彫り

 翼の修整時にスーパーチャージャー部を除き、表面ディティールを擦り落としてしまいましたので、スジ彫りと目立つ部分のリベットを再現します。私はグンゼ産業のサーフェイサー1000で下塗り後、特別な道具は使わず目打ちで行なっています。まず、シャーブペンで下書きをしておいて、ブラ板を定規に使いながら彫って行きます。

塗装

上面はMr.カラー特色304オリーブドラブ、下面は13ニュートラルグレイにタンを少し混ぜて少し色あせた感じにしました。充分に乾燥後、もうおなじみになりましたがローアンバー色の油絵の具をハンブロールシンナーに薄く溶いたものでパネルラインにスミ入れします。汚しは同色のパステルで、パネルライン付近を重点的に。また、スーパーチャージャー後部の熱変色とスス汚れもパステルです。デカールはマイクロ等の切り貼り。

最後に艶消しクリアーでオーパーコートし、デカールの反射を消し、パステルを保護します。これでめでたく完成。

結論

翼後縁の薄々攻撃でシャーブにするだけでエアフィックスキットが初めて手にとった時の印象と違うものになりました。小スケールですからスジ彫りもリベット打ちも簡単。完成してみると、中々グーなので、1/72ではエアフィックスもベストキットの素質充分です。ここは一つ、あなたの押入れの休眠キットを引っ張り出して光を当ててみてはいかがでしょうか。



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田口 博通 

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