AD-6スカイレーダー 72 ツクダホビー
キャノピー、カウリングなど気になる点を修正します。(M A 1998年/7月号)
待ちに待ったスカイレーダー特集です。6月号のライトニング特集といい、最近うれしい企画が続きます。ツクダのスカイレーダーはフジミ、エアフィックスに続いて発売され、胴体エアブレーキが開状態にできる楽しさが売りのキットですので、作例ももちろん開いてみました。 ただ、詳細を見ると、カウリングが角張っている、翼後縁は思い切り厚い、フロントキャノピーの形状等、今一つバランスを崩していました。 今回は、キャノピーをエンビ製に替えた他、装甲板の追加など行い、最新作ハセガワに近い完成度を目指してみました。一番いい立体資料は、もちろんこのハセガワ72スカイレーダー。余裕があれば購入し、座右に置きましょう。で、それを参考に製作にとりかかれば効率百倍です。
胴体
コクピットの組み立てからとなるわけですが、床板、計器板、シートの3点で簡単に構成されています。 シートは形が違いますので、上半分をカットし、防弾板をプラ板で自作。細切にした釣り用板鉛でシートベルトを追加しておきましょう。塗装はコクピット内部がグンゼ特色グレーNo317。シートはダークグリーンNo54。計器板はつや消し黒、メーターを銀でドライブラシし目だたせれば十分です。 胴体に先に尾輪を組み込むようになっていますが、折れ易いので、最後の段階で組み込むように工夫しておくとよいでしょう。ベトナム空軍機の場合アレスティングフックは使いません。 胴体に主翼を接着後、垂直尾翼、主翼後縁を、外側からがんがん削り、薄く整形しておきましょう。
カウリング修正と装甲板追加
製作途中写真を参考に撮りました。 カウリングが角張っていてイメージを大きく崩しています。ここは丸みを加えるようにヤスリで削って修正しましょう。開口リップ部は0.5mmのプラ板を細く切って接着し整形して、開口部を狭めると共にリップ部の厚みと丸みを出すといいでしょう。 プラペーパーやスコッチのプラスチックテープを駆使して、胴体側面と下面の装甲板を追加します。ハセガワのキットがいい資料になりました。 胴体下面のエアブレーキも0.5厚のプラ板で追加しました。 同時にパイロットヘッドの装甲板をプラ板で。又、その後のヘッドレスト部は3角形のプラ板で芯を作り、その上にドラフティングテープを利用して、キャンバスを表現しています。後部キャノピーのスライドレールも洋白線で作り直しました。
キャノピー
今回は自作でなく、別売りクリアバックス製の塩ビキャノピーを利用しました。キットの機首上面の鼻先が太目なので、これに合わせ、細めに削り修正しています。隙間が開かないように削り合わせがポイントとなります。
塗装
キット箱絵のベトナム空軍機23rdT.W機にしました。ベトナム迷彩には、全てグンゼ特色を利用。ピースコンによる直吹きですが、いい感じになりました。キットの塗装指定と違い、No.311下面グレーFS36622,No.310上面ブラウンFS30219,No.303グリーンFS34102,No.309ダークグリーンFS34079を利用しています。迷彩パターンは説明書に3面図がでていますが正確です。 充分に乾燥した後、油絵の具の ローアンバーをハンブロールシンナーで溶いて、WASHINGしました。舵面など可動部には濃い目の絵の具を面相筆で入れ、強調しておきます。 これで、ぼーとした迷彩に一挙にメリハリがでます。 デカールはキットの他、黄黒帯、国籍マーク等は一部ハセガワから流用しました。デカール余白は片刃のカミソリで丁寧にカットし、仕上げにつや消しクリアを吹き付け保護しました。 ベトナムの3色迷彩は各色の艶がなかなか揃わなかったりするので、仕上げのつや消しクリアは必須でしょう。これはグンゼクリア46に30つや消しを適量まぜ、作ります。
小物
アンテナをプラ板で自作、尾翼ピトー管はしんちゅうパイプと洋白線の組合せで置き換えました。主脚扉のエッジは厚すぎるので、ヤスリで薄くしておきましょう。主脚の可動支柱はちゃんとダブルになっていて偉い。 最後に取り付けるダイブブレーキ内側は赤、胴体側はつや消し白です。 武装はキット付属爆弾を満載し、ロケットランチャーは少し短かったのでハセガワからトレードしました。オリーブドラブに塗っておけばまず間違いありません。
一通り完成した後で、仕上げのアクセントとして、排気管からのすす汚れをパステルで書き込むと、そこにはベトナム戦争で活躍したエイブルドッグが再現されます。 こうやって完成すると、古いキットですが なかなかいいもんです。 筆者のレベルHH-53ジョーリーグリーンに始まるベトナムコレクションに又一つ御仲間ができました。 筆者の場合、もの心ついた時にすでに始まっており、大学時代まで長く続いたベトナム戦争、各人の胸に感慨があるでしょう。 ベトナム迷彩機を見るたびに甘酸っぱい青春時代にタイムトリップしてしまいます。「いちご白書」、「ソルジャーブルー」を思いだし、PPMのパフが頭の中を駆け巡ります。しかし、ベトナムは過去の遺物として、模型の中だけに留めたいものです。
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