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Ju-87B スツーカ フジミ 72  

ストレートに作ってみましょう。(M.A 1998年/9月)         




フジミのJu87B1です。デカールがシャークマウスの派手なものに替わりました。実機については特集でご覧ください。というわけで、さっそく製作へ。
御待ちかね、今月のヒントではデカールの余白切り抜きに挑戦です。


キットについて

 フジミのスツーカは、各タイプへの対応のために、胴体と機首が別となっています。接着の際には段差が出ないように注意が必要です。特に機首は左右と上の3分割になっており、すりあわせを充分に行って下さい。ここさえ注意すれば、後はすんなりと組上がります。プロポーションはフジミとしては、良く実機の特徴を捉えており、完成後の姿も結構いい感じです。
 取扱説明書にはB-1型はカウルのラジエターフラップの線を埋めよと指示がありますが、航フ傑作機に掲載されているように、B-1でもカウルフラップ装備の機体があったようです。

 今月はいつもと趣向を変えて、工作のヒント3連発。細かい所の工作と塗装法を具体的に紹介します。


(その1) 主翼前照灯

 箱絵のように左翼に前照灯がありますが、キットでは透明部品が用意されておらず、むくのままです。
 この工作法を具体的に紹介しましょう。まず、主翼上下の接着後、前縁を切り取ります。レザーノコなどを使わずとも、カッターナイフで筋彫りに沿って切り込みを入れて、少しずつ削ってゆくだけで、簡単に切り取れます。整形しながら両側に幅1ミリ程大きめに切り取りましょう。後できれいに見せるためにぎりぎりの大きさに作らず、大きめに作る所がコツです。
 透明部品には筆者は5mm角の透明アクリル棒を使っています。東京ではハンズの他、よく駅ビルで見かける画材専門店等にあります。40cmぐらいの長さで100円程度です。1本買うと一生ものです。これを所定の幅より少し大きめに切り、主翼の切り欠きに合わせて、幅だけやすりで削って合わせてゆきます。削り過ぎて少々隙間があっても構いません。
次にこのアクリルの主翼との接着部になる所に1.5mm径のドリルで浅い穴を開け、銀色を流し込みます。これが表から見ると、ライトに見えるわけであります。
 主翼切り欠き部と透明アクリルの接着断面部に銀を塗って乾かします。
これを忘れずに行っておかないと、接着後、プラの生地が見えてしまい興ざめになってしまいます。
 接着ですが、瞬間接着剤で多少の隙間も強引にくっつけてしまいます。
15分くらいでしっかり固まった後、主翼前縁形状にあわせ、半丸やすりで削ってゆきます。この時に5mm角のアクリル棒の半分くらいをやすりで削りとることになるので、時々やすりが目詰まりしないように水をつけながら作業するといいようです。
ほぼ形状が出てから、400番、800番、1200番と耐水ペーパーを目を細かくしながら、磨いてゆきます。
最後に仕上げとして金属磨きのピカールを柔らかい布(古い下着シャツ等)につけ磨くと、つるつるになります。
 もともと両側1mm程大きく作っていますので、所定の大きさにマスキングゾルでしっかりとマスクします。
後の全体塗装後、傷をつけないようにそっとマスクを剥がすと、透明ばっちりの前照灯ができ上がります。日本機等にも応用してみて下さい。


(その2)マホガニーで下塗り

 最近、筆者が流行らせている塗装法です。まず、サーフェーサー1000でしっかりと下塗りをします。 今回は、この後でリベットうちを行なっています。そりゃスツーカというとゴツゴツとしたイメージがありまして。
そして、リベット打ちの後で、1000番のペーパーで軽くならしておきます。
 
 この後で、全面をマホガニーで下塗りをするわけです。AFVの下塗りから思いついた方法ですが、上塗りもよく色がとまり、結構味がでてきます。
下面のライトブルーはグンゼNo.20を使っています。パネルラインを残しながらパネル毎にピースコンで吹いています。影になる所はマホガニーをそのまま残してもいい感じになります。最終段階で、ローアンバーの油絵の具で墨入れして強調すると、作例のような感じに仕上がります。好みはあるでしょうが、一つの手法として、トライされるとよいでしょう。
上面も、ダークグリーンNo.17、ブラックグリーンNo.18をそのまま使用しています。これもマホガニー色のパネルラインを残すように意識しながら、ピースコンで塗装していくと、いつもと違う変化のある作品が現われます。



(その3)デカールの余白切り抜き

 今月の目玉。デカール余白の処理はモデラー共通で抱える問題です。今回はプロのテクニックを紹介します。 実はこの方法は筆者が幼少の頃初めて買った1967年6月号のモデルアートのアイデアコーナーに親切な絵入で掲載されています。以来30年に渡って、筆者のプラモライフを充実させていただいています。モデルアートから最初に得たテクニックとして、本当に感謝しています。掲載されているのは両刃のカミソリを折る方法ですが、取扱が危険なので、柄のついた長刃カミソリを使いましょう。
 まず、貝印カミソリのLR-10BDというハガネ刃の長刃カミソリを購入します。スーパーダイエーで10本入138円でした。ステンレス刃のBTM-5Hや、炭素工具鋼のLGa-5Hという5本入の高級品では、後で刃を鋭角に折ることができません。必ず、ハガネ刃の安いものを購入して下さい。
 紙や布にはさんで、図のように刃先を鋭角に折ります。折るときはけがをしないように充分注意して下さい。
 デカールを所定の位置に張り付け、一応落ち着く1時間後ぐらいに、鋭角の刃先で、デカールの字のフチをなぞるように、軽く切ってゆきます。デカールはごく薄いので、力を入れる必要は全くありません。字の多い所等は切れ味が悪くなると、途中で刃を折って、新しい所を使うようにします。
最初は主翼のハーケンクロイツ等で練習されるとよいでしょう。
 切り終わったら、先の細いピンセットで不要な余白部分を起こしてとり去ります。胴体など、字の輪郭を細かく切ってゆきますが、面倒であれば、字の中抜きは省略してもいいでしょう。
 難しく聞こえますが、効果は想像以上で、エッジの印刷のぼやけたデカール等もしゃきっと仕上がります。
 のりが薄くて切り抜いた字が浮いてしまったら、細筆にのり(筆者はセメダインのPASTEという工作のり使用)をつけて、補修します。 仕上げにフラットクリアをデカール保護を兼ねて吹いておくと完璧です。




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