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SBD-4 ドーントレス 48 ハセガワカウリングなど気になる点を修正します。(M A 1997年/11月号) ハセガワのドーントレスはSBD-3と-4が発売されており、今回は-4を取り上げます。-3と-4の外形上の違いは、プロペラがハミルトンスタンダードハイドロマチックになり、スピンナーレスになったことだけのようです。48ドーントレスはその昔のモノグラム発売以来30年ほど大穴状態が続いていましたが、ハセガワの先年の発売で解消されました。快挙であります。アキュレートからも最近発売になるなど、地味めな割には結構人気のある機種なんですね。やはりミッドウェーでことごとく日本空母を沈める活躍をしたからでしょうか。資料はインアクションNo.64,傑作機No.40が写真が多く参考になります。 キットについて ハセガワのキットは全般に実機の形態をよくとらえています。が、機首の雰囲気がごつごつと角張ってデフォルメ気味で、筆者の身近にも「ちょっとね」という人もいるようです。原因はカウリング正面形状にあり、つぶれたように感じるため、少し短めにも見えるようです。実機のカウリング正面形は零戦21型のように意外にもっとスムーズな女性的カーブに見えます。どうしても気になる方はがんばって修正にトライしては。 表面モールドは最近のハセガワの標準的なモールドで、あっさり系の筋彫りと要所にリベットが打たれています。アキュレートのドーントレスとは表面モールドの雰囲気が全く違います。これは好みの問題もあり、読者の皆様に判定をおまかせしましょう。ハセガワのキットは日本全国で買える、プライスも安いこともあり、ていねいに作れば、ストレートフロムボックスで充分素晴しい模型が完成しますので、是非作ってみませんか。 組み立て上の注意点 コクピットは13個の部品点数からなり、精密です。特に旋回機銃部はていねいに塗装するだけで、かなりメカニックな雰囲気が醸し出されます。キャノピーが大きいため、内部がよーく見えるので、シートベルトを板鉛等で追加しておくとよいでしょう。インテリアグリーンの基本塗装の上から、薄いバーントジェンナー色油絵の具でwashingし暗部のシャドーをつけ,バフ色のドライブラシで明部を強調し、めりはりをつけておくと、ばっちりです。 エンジンはフィンのモールドもシャープです。プッシュロッドは限界の細さにモールドされているので、折らないようにていねいに接着して下さい。塗装ですが、ドーントレスをサンディエゴのミュージアムでとった写真が手元にありますが、エンジン、ロッド共つやあり黒に塗られていました。 主翼 ドーントレスの最大の特徴である穴空きダイブブレーキをお約束通り開いてしまいました。切り離しはカッターナイフ一つでOKでしたが、穴の数が多いので、ドリル作業にはうんざりしました。穴あけは、目打ちでセンターにマークし、下穴を1mm,仕上げに1.5mm径のドリルをピンバイスにくわえ慎重にあけています。1枚につき60個の穴がありますので、胴体下面と合わせ、合計300穴以上のドリル作業となりました。作業中は切れそうになる自分を抑え忍の一字であります。さすがに、完了した時はしばらくはプラモの姿を見たくありませんでした。 塗装 2次大戦中期の3色カモフラージュとしています。下面は説明書の指定通りNo62つや消しホワイト。上面シーブルーはNo.14ネービーブルーで下塗した上に、No.89青15号を外板継ぎ目を残しながら薄く吹くとこんな仕上がりになりました。コルセア特集号でも書きましたが、この青15号(FS15050に相当)が洋上で太陽を浴びたシーブルーのイメージピッタリで、大好きな色です。 機体側面色はキットの説明書の指定ではブルーグレーとなっています。当初ブルーグレイに塗られていた機体の上面にだけシーブルーの塗装をした説をとっているようです。この場合、ピットロード艦船カラーNo.16米海軍オーシャングレーがブルーグレーとして、ストレートフロムボトルで使えます。筆者は今回はインターミディエイトブルー説を採用し、グンゼNo.72を使っています。 墨入れはつや消しブラックだと強すぎ、ともすれば、おもちゃっぽくなるので、ローアンバーを使われた方が自然と思います。ローアンバーは油絵を描く時に、輪郭によく使う色です。 キャノピーオープン 旋回機銃部を見せるため、後部キャノピーはどうしてもオープンしたい所です。しかし、プラモデルの限界でキャノピーに厚みがあるため、そのままでは第4風防に第3風防を重ねることができません。第4風防のフレームを高さ1mm以上削ってごまかしていますが、作例のように目立つものではないようです。最後に今月のヒントいきます。 枠の多いキャノピー塗装法 筆者はずっとMr.マスキングゾルを塗り、枠部をカミソリでカットする方法ですが、何の問題もありません。 (こつその1)ゾルを1回塗って乾かした後で、もう一度ゾルを塗る。つまり2回塗りするわけです。理由は1回塗りでは、ゾルの乾燥膜の厚さが薄すぎて、目に見えないピンホールがあるのか、上塗塗料がとれない、ゾルがはがれないケースがあるからです。皆様がお困りなのも案外こんな所なのかもしれません。 (こつ2)カミソリの刃 カッターナイフでは刃が厚すぎ切れ味が今一つです。私はおなじみ貝印の長刃カミソリを先を鋭角に折って使用していますがこれまでの経験では刃が薄くて一番いいようです。鋭角に折るには刃がステンレスでなくハガネ刃である必要がありますので、一番安いLR-10BDという品種が最適です。(ピンクの柄10本いり138円スーパーダイエー等)刃を折るときには上から紙や布ではさみ、くれぐれもケガをしないように気をつけて下さい。 その昔カッターナイフが出現する以前は鉄道模型のペーパー車体切り抜きのための基本テクで皆使っていました。 又、このカミソリはデカールの切り抜きにも最適です。このテクは今度詳しく紹介します。 (こつ3) 枠部に上塗塗料を機体内部色、機体外部色の順に塗装します。充分乾燥し、マスキング部のゾルをはがす時にもう一度、境界にカミソリをいれると、きれいにとることができます。こうやって作例のように枠のエッジが直線にきれいにできるわけです。 |
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